倉本:結局、一握りの天才以外を、ちゃんと戦力化するには、密接に考えて「責任」を丁寧に配布していく要素が必要ってことなんですね。
安藤社長:まさにそうですね、「一握りの天才以外の」というのはまさにその通りですね。
倉本:なんかまた部活の話に戻るんですけど、いうても公立高校なんで、男子とか楽譜読めないレベルから始まる人ばっかりなんですが、同じ地区には音楽高校があって、そこの生徒がまとまって出てくる高校とかあるんですよ。もうメンバーの音楽の基礎レベルが段違いすぎるんですが、そんなの勝てるわけないじゃん・・・のはずなのに毎年だいたいは勝てちゃったりして、これって神秘のパワーだな・・・って当時の自分は思ってたんですよね。
中学生時代まで、敬語すら許せないような個人主義者だった僕としてはカルチャーショックだったんですよ。
だから、個人をただ放置するんじゃなくて、丁寧に一個ずつ責任を配布して、これがあなたの責任ですよという感じにして、盛りたてるというか、責任を自覚してもらう作業を丁寧にやらないと、アメリカ的にすべてがその人の個性なのねという感じで放置してしまうと、「尊重されてるようで捨て去られてしまってる」人がたくさん出てくるようになる。
そういう人が 社会の中にすごいいっぱいいて、やることがないから薬物中毒とか。そうなってくると、社会全体はやっぱりすごい病んでくると思う。
とはいえ、アメリカの会社がやるような、マクロに見てこっちに進んだ方がいいんだという決定をする部分は、経営者の機能として重要だと思うんですけど、それをちゃんと現場レベルに丁寧に落とし込んで、俺たちも考える能力があるんだ、脳みそをちゃんと全員分使って動いていくんだ・・・というカルチャーが消えてしまわないようにすることが、すごい重要なタイミングだと思うので、識学さんがそれをちゃんとやっていってくれるといいなと思います。
安藤社長:がんばります(笑)いやほんとそうしたいな、とそういう社会課題の認識で始めた事業なので・・・日本がどんどん弱くなっている原因というのは、そういうところにあるというのを認識した上で、今やっているので。