安藤社長:いやもうほんとおっしゃるとおりです。
4. 「一握りのエリート」以外もちゃんと戦力になってもらう心を失わないように
倉本:あとやっぱり、ほんの一握りのエリートだけが考える能力があるという扱いで、ほかは尊重されてるふりして、実は棄民されてるみたいな、放棄されてるみたいな状況になっちゃいけないよねっていうところも、結構共通して持ってる部分ですよね。
安藤社長:すごい同意ですね。本当にいい顔して、考えることを奪うっていうことをやってる会社って、日本にもめちゃくちゃ多いと思うんですよ。責任を与えないで、なんとなく楽しい雰囲気作って、なんとなくやりがいあるふうに見せて・・・っていうところがすごいあると思うんで、それって全然従業員のためになってないと思うんですよね。
倉本:それは確かにそうですね。それをいかに社会全体で回復していくかが大事ですよね。まあアメリカがあんなことになって、なんでもアメリカのやり方が全てじゃないよねっていう、世界的な風潮ができてきてるから、それをうまく利用して・・・
安藤社長:まあそうですね。
倉本:パワハラの時代に戻るわけじゃないけど、だからこそ、ちゃんと理屈だって「良い組織とは?」っていうのを再生していく役割が出てきてるってことですね。
安藤社長:パワハラの時代に戻るわけじゃないんですね。
だから、こういうことだと思うんですよ。厳しく接する代わりに、ちゃんと責任を持つっていうのが正しい状態で、「厳しく接するのは良くない」というところだけフォーカスされて、「責任を持つ」とはどういうことなのか、というのがわからなくなってしまった。なので組織はおかしくなってしまう。
例えば家族関係とかでもわかりやすくて、昔はお父さんが絶対でした。お父さんが子どもに厳しくするかわりに、家庭の繁栄の責任を持ってましたという関係だったわけですが、その「厳しさ」は良くないという方向になったことで、そもそも「責任を持つ」とはどういうことかがわからなくなって、それでおかしくなってきていると思う。