だから今までのいわゆる右だとか左だとかいう対立構造じゃなくて、事実を丁寧に迎えてに行けば、じゃあ当然こうしないといけないですね・・・という話になってくるところがあるんですよね。僕は普段そういうことをやってるので、ぜひこの本を読んでみてほしいなと思っています。

3. ぶつかりあいながらファクトを探っていく関西人的なダイナミズム

安藤社長:いやほんとにだから、「ぶつかりあいの中でファクトに近づいていく」・・・という発想はすごい正しいと思うんですね。

倉本:そうそう、関西人的なダイナミズムというか、ボケとツッコミというか、「なるほどそう思ってるんや、ほなこうしよか」的な、常にリアクティブに真実に近づいていくようなダイナミズムみたいなのが、同世代の関西人として僕と安藤さんがシェアしている部分だったりするのかなと(笑)

安藤社長:いやでも本当に正しいと思いますよ。もう1つ多分この本にも書いてあると思うんですけど、昔僕らが育った時代っていうのは、メディアによってある種の共通了解があったんですね。共通了解に誘導されてたっていうところがあって、それによって何かファクトと離れた部分に、もう1個の嘘の共通認識みたいなのができちゃって、ここのギャップで僕ら苦しんでると思う。

倉本:これも世代的なもんで、我々より20年上ぐらいの人たちはもう、ファクトとかどうでもよくて、 敵を批判できればいいみたいな、強く何かを叫べたらいいみたいな感じだったりしましたよね。問題が解決しようがこじれようが、自分が気持ちよく主張できたらどうでもいいみたいな、そういうカルチャーだったところがある。

でもそれって日本が豊かで安定してるから、あんま意味のないことで激論を交わしてても全然よかったんですけど、だんだん徐々にちゃんと機能する議論をしないと、まじで国ヤバいんちゃうの?っていうふうになってきてて・・・そういう問題意識が、僕と安藤さんで共通してるところがあるのかなと。