遠藤の出世は、段階的なキャリア構築のみならず、守備力とユーティリティ性の高さ、そして批判を跳ね返すメンタルの強さによるものが大きい。ユースも含めた湘南時代に培った基礎が、世界的名門クラブでの成功の土台となっているのだろう。

堂安律 写真:Getty Images

堂安律(フライブルク/2014-2016ガンバ大阪ユース)

今2024/25シーズン、ブンデスリーガのフライブルクでレギュラーとして10得点を挙げ、チームをヨーロッパリーグ(EL)出場権を得る5位に導いた日本代表MF堂安律。

兵庫県尼崎市出身の堂安は少年時代、ヴィッセル神戸のスクールに通っていた。中学進学時にガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスのジュニアユースからオファーを受け、G大阪を選択している。

2014年にユース昇格し、2015年には高円宮杯プレミアリーグWEST優勝に貢献。同年、16歳ながら2種登録選手としてトップチームで公式戦デビュー(AFCチャンピオンズリーグ・FCソウル戦)を果たし、注目を集めた。

2016年に飛び級でトップチーム昇格。当時、J3に参戦していたG大阪U-23で21試合10得点を記録し、別格の存在感を示すと、2017年にはACLプレーオフに出場。攻撃的MFや右サイドでドリブルと得点力を発揮し、2016年にJリーグ初得点を記録した。

2017シーズン途中、オランダのフローニンゲンに期限付き移籍し、2018年に3年契約での完全移籍に移行。初年度から公式戦29試合9得点を記録し、元オランダ代表MFアリエン・ロッベンの10代時の得点数を上回る活躍を見せた。オランダリーグでの適応力と攻撃センスが評価され、欧州での足がかりを築いた。

2019/20シーズン、オランダの名門PSVアイントホーフェンに5年契約で移籍。加入当初は主力として活躍したが徐々に出場機会が減り、活躍の場を求めてブンデスリーガのアルミニア・ビーレフェルトに期限付き移籍。2021/22シーズンにPSV復帰後、KNVBカップ優勝に貢献した。PSVでは欧州トップクラブでの経験を積み、市場価値を高めた。