具体的にはMeta、Netflix、Disney、Amazon Prime Video、Adobeなどの大企業が年収数十万ドルもの高額報酬でAIアートにかかわる人材を募集していることが確認されました。

(※ディズニーの求人は現在はクローズされています)

特にAI生成物を大量に回し、最適案を抽出する役割は上に上げたどの企業も欲しています。

高額報酬で専門家を囲い込みを行う意図が見えており、結果として外部クリエーターの受注機会は大幅に減少すると考えられます。

同様の声はアジア圏でも聞かれます。

生成AIの影響は中国でも顕在化しています。

中国ゲーム業界では2022年末以降、画像生成AIの活用が急速に広まり、フリーランスのゲームイラストレーターたちが仕事を奪われつつあると報じられました。

実例として、中国のフリーイラストレーターの一人はゲーム用プロモーション画像を1点描くごとに約3000~7000元(約5.8万~13.6万円)の報酬を得ていましたが、2023年2月以降こうしたイラスト制作の依頼が激減したと証言しています。

企業側は「AIで生成した画像の細部修正」だけを人間に任せるようになり、報酬も従来の10分の1程度にまで落ち込んでしまったとのことです。

また、重慶市のゲームスタジオではキャラクターデザイン担当のイラストレーター15人中5人が2023年に解雇されました。

これは同スタジオが画像生成AIを導入した影響と見られ、担当者は「今後は10人で行っていた仕事を2人でこなす可能性もある」とさらなる人員削減への不安を述べています。

このように、中国では実際にクリエイター職の削減や単価下落が生じており、ゲーム大手企業もAIで開発コスト削減を模索する動きを強めています。

中国のゲーム業界でゲーム用イラストを手掛けていた男性も「昨年末頃からAIの性能が大きく向上し、ゲーム会社からの注文が減って報酬も減った」と明かし、ついには仕事そのものが無くなってしまったといいます。