また、喫煙に厳しいアメリカやオーストラリア、近年の日本と比べ、欧州や南米などは喫煙に寛容である文化的背景も挙げられるだろう。意識の高い選手が増える半面、喫煙に関しては個人のライフスタイルや依存の問題に起因することもある。

1984年、渡部恒三厚生大臣(2020年死去)が「タバコは健康に良い」とトンデモ発言を放った通り、体には毒でも、メンタルでは役に立つ側面も無視できない。

つまり、サッカー選手の喫煙は、ストレスや文化、個人の選択が絡む複雑な問題だ。現代では健康意識の高まりやクラブの管理強化により減少傾向にあるものの、完全になくなることは難しいと思われる。パフォーマンスやプロ意識の観点から、選手自身が喫煙のリスクをどう捉えるかに頼るしかないのだ。

結局、“自己責任”という結論付けをするしかないのだが、現役サッカー選手がSNS上に掲載した写真にタバコが映り込んでいただけで“プチ炎上”してしまう時代だ。サッカー選手はアスリートであると同時に人気商売でもある。“どうしても禁煙できない”のであったとしても、TPOをわきまえないと痛い目に遭うことになるだろう。