また、ポーランド代表GKヴォイチェフ・シュチェスニー(バルセロナ)や元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォン(2023年引退)、元フランス代表GKファビアン・バルテズ(2006年引退)など、ゴールキーパーにも喫煙者は多い。
そして現在、喫煙者サッカー選手の筆頭として名前が挙がるのが、かつてC・ロナウドとバロンドールを争ったアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)だ。
メッシは10歳時、類まれなる才能を持ちながらも、「成長ホルモン分泌不全性低身長症」というホルモンの分泌異常に悩まされ、バルセロナが高額なホルモン注射などの治療費を全額負担することを約束した上で契約したという。
そんなメッシでもタバコを吸いながら、あの超人的パフォーマンスを披露していたのだから、吸おうが吸うまいが関係ないようにも思えてくる。

アスリートに対するドーピング調査
イタリアの研究機構が、2012年から2020年に行ったアスリートに対するドーピング検査の検体を用いた研究では、22.7%のサンプルからニコチンが検出された。男性では24.1%、女性では18.5%がニコチン検査陽性。相当数のトップアスリートも喫煙をしていたことが分かる。
競技別で見ると野球が非常に高く、2012年は74.7%、2019年は66.7%の陽性率。重量挙げでは2012年が47.4%、2019年は39.4%。体操競技では2012年は22.4%、2020年は28.1%。サッカーでは、2012年が31.3%、2020年は26.1%だった。
当然ながら、多くのスポーツ団体はアスリートの喫煙を奨励していない。しかし一方、禁止もしていない。IOC(国際オリンピック委員会)も五輪開催地での禁煙を奨励した結果、(結局は無観客開催となったが)東京五輪のメイン会場の国立競技場には喫煙所どころか、敷地内のスタジアム外でも喫煙スペースすらない。