加えて、発電所が緊急停止した場合、必ずしもすぐに再起動できるとは限りません。特に大規模な火力発電所や原子力発電所では、安全確認や設備再起動の手順に時間がかかるため、段階的な立ち上げが必要になります。したがって、復旧作業は送電線や系統の状態だけでなく、発電と需要のバランスを緻密に管理しながら行う必要があるという点で、高度な調整力が求められます。
そうした中で、スペインとポルトガルが20時間でほぼ復旧を果たしたことは、高く評価されるべき事例であり、今後の系統事故対応における重要な参考になるでしょう。