より具体的には、対衛星兵器を1つテストするごとに、およそ4.5年に1個の割合で被害に合う衛星が増えることになりました。

4.5年に1個なら、テストの影響はあまり大きくないように思えます。

しかし影響が1000年続くため、最終的に破壊される無関係な衛星はずっと多くなります。

たった1回のテストにしては、その代償はあまりにも重すぎるでしょう。

ですが大国間の宇宙戦争では、より黙示録的な結果が得られました。

軌道閉塞を起こすには些細な宇宙戦争で十分だった

また既存の対衛星破壊兵器の試験結果をもとに、1個の衛星が破壊されるごとに10cm以上の大きなデブリが2000個発生すると想定されました。 2021年に行われたロシアの対衛星兵器のテストでは10cm以上の大きなデブリが1500個作成され、2007年に行われた中国の対衛星兵器テストでは10cm以上の大きなデブリが3500個作成されたと考えられています。 そのためこの「衛星1個につき10cm以上のデブリが2000個」という数値は極めて現実的な数値と言えます そして10cm以上のデブリが2000個できるということは、1~10cmのデブリが10万個が発生することを意味します。
また既存の対衛星破壊兵器の試験結果をもとに、1個の衛星が破壊されるごとに10cm以上の大きなデブリが2000個発生すると想定されました。 2021年に行われたロシアの対衛星兵器のテストでは10cm以上の大きなデブリが1500個作成され、2007年に行われた中国の対衛星兵器テストでは10cm以上の大きなデブリが3500個作成されたと考えられています。 そのためこの「衛星1個につき10cm以上のデブリが2000個」という数値は極めて現実的な数値と言えます そして10cm以上のデブリが2000個できるということは、1~10cmのデブリが10万個が発生することを意味します。 / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

2021年12月の時点で、米国は3000個、中国は500個の衛星を保有しています。

2つ目のシミュレーションではこの2国が本格的な戦闘を宇宙で行い、お互いの衛星の10%ずつ、合計で250個が対衛星兵器で破壊された場合が計算されました。

結果、250個の衛星破壊で追加される1cm以上のデブリの総数は2550万個であると判明。

これまでの衛星打ち上げなどで作成された1cm以上のデブリの数がおよそ90万個であることを考えると、大国間の宇宙戦争はデブリの量を2700%増加させる計算になります。

(※2007年に中国によって行われた1度の対衛星兵器テストによって、1cm以上のデブリの総数は一気に30%も増加しました)