より具体的には、対衛星兵器を1つテストするごとに、およそ4.5年に1個の割合で被害に合う衛星が増えることになりました。
4.5年に1個なら、テストの影響はあまり大きくないように思えます。
しかし影響が1000年続くため、最終的に破壊される無関係な衛星はずっと多くなります。
たった1回のテストにしては、その代償はあまりにも重すぎるでしょう。
ですが大国間の宇宙戦争では、より黙示録的な結果が得られました。
軌道閉塞を起こすには些細な宇宙戦争で十分だった

2021年12月の時点で、米国は3000個、中国は500個の衛星を保有しています。
2つ目のシミュレーションではこの2国が本格的な戦闘を宇宙で行い、お互いの衛星の10%ずつ、合計で250個が対衛星兵器で破壊された場合が計算されました。
結果、250個の衛星破壊で追加される1cm以上のデブリの総数は2550万個であると判明。
これまでの衛星打ち上げなどで作成された1cm以上のデブリの数がおよそ90万個であることを考えると、大国間の宇宙戦争はデブリの量を2700%増加させる計算になります。
(※2007年に中国によって行われた1度の対衛星兵器テストによって、1cm以上のデブリの総数は一気に30%も増加しました)