この関連は、投稿者の性別要因を考慮した上でも有意に認められています。

また興味深いことに、一般に女性の方が男性より絵文字を多用する傾向があり(本研究でも女性参加者のほうが平均して絵文字使用量が多く、先行研究と一致する結果でした)、性別も絵文字使用頻度に影響していました。

しかしそれを差し引いても、開放性の低さが絵文字多用と結びついていたのです。

一方、ビッグファイブのその他の性格(外向的かどうか、協調性が高いかなど)については、絵文字使用量との間にはっきりした関連は見られませんでした。

外向的な人ほど絵文字で表現豊かかもしれない…といった直感的な予想も外れた形ですが、この点も興味深い発見です。

つまり、こと絵文字の使用頻度に関しては、「開放性」の高低だけが顕著に現れるもののようなのです。

開放性の低い人はどんな特徴があるのか?

開放性の低い人はどんな特徴があるのか?
開放性の低い人はどんな特徴があるのか? / Credit:Canva

開放性が低い人の特徴はこれまでの研究によってかなり詳しく調べられています。

・知的な側面でわずかなハンディを背負っていることが多いようです。メタ解析によると、ビッグファイブの中で知能(IQ)ともっとも強く結び付くのが開放性で、その相関はおおむね0.20〜0.30程度と報告されています。つまり好奇心旺盛な人ほど平均してIQも高く、反対に開放性が低い人は知能テストの得点もやや控えめになる傾向があるのです。

創造性でも似た図式が見られます。発散的思考テストや芸術的達成に関するレビューでは、開放性と創造性の相関が0.40から0.70とかなり大きく、高開放性の人ほどアイデアが豊富で芸術的職業に就きやすいことが示されています。したがって開放性が低い人は、未知の概念を組み合わせるような「ひらめき型」の課題が少し苦手になりがちです。

メンタルヘルスとの関係は拍子抜けするほど弱く、一貫性もありません。外来患者を対象にした研究では開放性とうつ症状の間に有意な関連が見つかったものの、その寄与はごく小さく、他の性格因子や環境要因を加味すると独立した影響はほとんど消えてしまいます。縦断研究でも「開放性が低いほうが心の病に強い/弱い」という明確な結論は出ていません。