絵文字は文字情報ではありませんが、コミュニケーション手段の一部です。

そこで米国の研究チームは、「私たちがコミュニケーション中に絵文字をどう使うかは、その人自身の性格的な特徴と関係しているかもしれない」と考えました。

つまり、絵文字の使い方の違いから投稿者のパーソナリティを読み取れるのではないかという着想です。

この仮説を検証するため、研究者たちはSNS上での絵文字使用頻度と性格5因子(いわゆるビッグファイブ:外向性、協調性、誠実性、開放性、神経症傾向)との関連を詳しく調べることにしました。

絵文字が暴くあなたの内面

研究はアメリカの大学生を中心とした2つのグループで行われ、それぞれ76名と245名の参加者が集められました。

(全体で約300名規模)。

まず参加者には性格特性を測る質問紙に回答してもらい、ビッグファイブ(加えて6因子モデルの誠実さ・謙虚さ要素も検討)における各自のスコアを取得しました。

次に参加者たちには、日頃利用しているSNSアカウント(X/旧Twitter)の投稿データの提供に協力してもらいました。

研究チームは提供された各参加者のSNS投稿を分析し、どれくらい絵文字を使っているか、そして何種類の絵文字を使っているかをプログラムでカウントしました。

さらに投稿の本文についてもテキストマイニングを行い、どのような単語が多く使われているか(例:感情表現に関する単語、分析的な語句の頻度など)を、心理言語学的な分析ツールLIWCを用いて分類・集計しました。

こうして集めたデータを性格検査の結果と照合したところ、絵文字を投稿に頻繁に使用する人ほど、開放性のスコアが低いことが明らかになりました。

研究チームは論文の中で「自己申告で開放性が低い人ほど、最も多くの絵文字を使っていました」と述べています。

開放性とは何か?

開放性とは性格特性の一つで、新しい経験や抽象的なアイデア、美的刺激への興味関心を示す指標です。
スコアが高い人は好奇心旺盛で創造的、芸術や多文化にも寛容な傾向があります。
逆に低い人は慣れ親しんだ環境や具体的な情報を好み、伝統や秩序を重んじやすいとされます。