伊右衛門は逆方向にリニューアル
このように綾鷹は24年春のリニューアルで、ライトユーザー層や若年層を取り込む方向にシフトし、味も軽やかなものに変更した。
一方で「伊右衛門」は24年春、綾鷹と逆方向といえるリニューアルを実施している。サントリーによると伊右衛門は茶葉の量を1.5倍に、苦さや渋みをもたらすカテキン量を2倍に増量した。うま味抹茶を3倍使用し、コクも約3倍に増えたという。「伊右衛門」本体の商品で過去最高レベルの濃さを実現したとしている。軽さや安さが特徴のPB商品が勢力を伸ばしており、差別化を図る目的があったと言われている。
筆者は「お~いお茶」「綾鷹」「伊右衛門」の3商品を飲み比べてみたが、確かに苦さや渋みといった点では伊右衛門が最も強い印象だ。伊右衛門は運動時に軽く飲むというよりも、しっかりと緑茶を楽しみたい時に飲む商品であると感じた。逆方向のリニューアルがライトユーザー層での支持率を分け、24年度の両者逆転をもたらしたのかもしれない。