7. 死者の歯に噛まれて – シグルズ・エイステインソン
シグルズ・エイステインソンは、875年から892年までオークニー伯(スコットランドの貴族)を務めた人物だ。彼もアレクサンドロス1世と同様に感染症で亡くなったが、噛まれた相手は猿ではなかった。なんと、死んだ男の首である。
シグルズは戦いで敵の一人を打ち負かし、当時の慣習に従って、その首を切り落として自分の鞍にくくりつけた。ところが、馬に乗って移動している最中に、ぶら下げた首の歯がシグルズの脚をかすめてしまったのだ。この傷がもとで致命的な感染症を引き起こし、彼は命を落とした。敵討ちが招いた、なんとも奇妙な死だ。