これにより、星が成長しようとしても、星に降り積もるガスを取り込むことができず、それ以上大きくなれなくなるのです。
この発見は、アーチ星団の星々を詳しく調べた結果に基づいています。
この星団は非常に多くの若くて重い星たちを抱えていますが、そこにも150太陽質量を超える星は見つかっていませんでした。これにより、「恒星の質量上限」という宇宙のルールが裏付けられています。
ただ、質量と直径はまた別問題です。
おおいぬ座VY星の質量はせいぜい太陽の20倍前後です。しかしその半径はなんと太陽の約1,420倍です。
太陽の20倍ほどの質量の星は、晩年になると中心部で核融合を行う燃料である水素が尽きて重力に反発するエネルギーを生み出せなくなり、自重で潰れだします。しかしその自重で潰れる圧力によって水素からヘリウムの核融合に切り替わり、再度核融合が点火し今度は膨張を始めます。
こうして晩年の恒星は、大きく膨らむ赤色超巨星という状態に鳴ります。おおいぬ座VY星はこの中でも特に大きく膨らんだ赤色極超巨星と呼ばれる分類で、とてつもなく大きく膨らんでいる状態です。
ただ、これ以上重い恒星(約太陽質量の30倍以上)だと、今度は膨らみづらくなり、外層を吹き飛ばして青色巨星という状態になります。
そのため宇宙最大の星は、理論上もだいたい「おおいぬ座VY星」のサイズが上限になるだろうと予想されるのです。
宇宙で一番大きい惑星はどのくらいなのか?
恒星について見てきましたが、では惑星の場合はどうなのでしょうか?
私たちが「星」と聞いたとき、頭に浮かべるものは人それぞれかもしれません。
太陽のように自ら光り輝く恒星を思い浮かべる人もいれば、私たちが住む地球などの惑星をイメージする人もいるでしょう。
では、宇宙で発見されている中で、最大の惑星とはどれほどの大きさなのでしょうか? また、地球のような岩石でできた星なら、どこまで大きなものが存在するのでしょうか?