まず、惑星という分類の中で現在知られている最大のものの1つが、地球からおよそ316光年離れた位置にあるHD 100546という若い恒星の周囲を回る「HD 100546 b」という惑星です。
この惑星は太陽系最大の惑星である木星と同じ巨大ガス惑星ですが、その大きさは木星の約7倍もあります。

仮にこの惑星が太陽系にあったなら、私たちが知っている木星とは比べものにならない巨大な存在感を放っていたことでしょう。
HD 100546 bはまだ形成途中の若い惑星、いわば“生まれたての赤ん坊”のような状態にあり、周囲には惑星を生み出す材料でありガスと塵の円盤が広がっています。
2013年、スイスの研究者サシャ・クワンツらによってその存在が報告され、今も成長を続ける若い惑星として、貴重な観測で対象となっています。
そしてこうした惑星のサイズにも、恒星同様に上限が存在します。
ガス惑星は質量を増やしても、あるところから半径がほとんど大きくならなくなります。質量が増えればそのぶん重力も強くなり、内部のガスを圧縮してしまうため、直径はあまり変わらず、むしろ密度が高まる方向へ進むのです。たとえば木星の10倍の質量を持つ惑星でも、直径は木星とさほど変わらないか、やや小さくなることがわかっています。
つまり、惑星はどんどん巨大化できるわけではなく、質量と大きさには自然なバランスが存在しているのです。
HD 100546 bがこれほど巨大に見えるのは、まだ若く高温で、内部からの熱によってガスが膨張しているためだと考えられています。そのため時間が経ち、内部の熱が冷めていけば、現在よりもコンパクトな惑星へと収縮していく可能性が高いようです。
地球型惑星の最大は?
では、地球のような岩石でできた惑星ならどうでしょうか?
現在、観測によって知られている最大級の岩石惑星の1つは、Kepler-277cという星です。