世界中の研究者が自由に利用できるオープンデータとして、進化発生学やゲノム解析の新たな発展を後押しするでしょう。
短い世代時間と容易な飼育環境を武器に、今後は遺伝子機能の直接検証やゲノム編集を組み合わせた実験が活発化することが予想されます。
ホヤとオタマボヤの発生プログラムを比較することで、「何を残し、何を捨てても脊索動物の形が作れるのか」という進化の普遍性にも迫ることができるでしょう。
オタマボヤは“生命が用意したシンプルかつ洗練された実験系”として、これからも多くの謎を解く鍵となりそうです。
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元論文
Transcriptomes of a fast-developing chordate uncover drastic differences in transcription factors and localized maternal RNA composition compared with those of ascidians
http://dx.doi.org/10.1242/dev.202666
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部