以上、ラーメン屋で例えてみましたが、大雑把に言って、これが日本の医療(3割負担)でおこっていることです。実際は1〜2割負担の人や、0割負担(無料。生活保護など)の人もいます。
そして、とても健康でほとんど病院へ行かない人もいます(ラーメンを嫌いな人が、ラーメン屋に行かないようなものです)。
これは、患者(ラーメン屋の客)にとっても病院(ラーメン屋)にとっても、非常に「お得な」仕組みです。どちらも、赤の他人に強制的に支払いを押し付けることで、利益を得ることができるからです。患者も病院も、「公金チューチュー」なのです。
しかも、他の補助金などと違って、医療の「公金チューチュー」は、回数制限がありません。同じ人が何回でも「公金チューチュー」可能なのです。一回の金額は大した額ではないかもしれませんが、毎日でも病院に通うことはできます。そのたびに、その人は自覚はなくとも「公金チューチュー」しているといえます。
病院側立場では、「でも我々は、各種検査などの金額を自由に設定できない。不当に安い金額を押し付けられている」という不満もあるでしょう。それはそのとおりだと思います。
しかし、病院側は、医師という専門家の立場から、「この検査も必要ですよ」「この手術をしたほうがいいですよ」と、患者に勧めることができます。患者は、全額(10割)自分で支払わなければならないなら、その検査や手術を希望しなかったかもしれません。「安いから、一応検査してもらっておこう」と患者が判断することをわかっていて、それを勧めるならば、その病院も「公金チューチュー」そのものだと言えます。
今回の記事は「3割負担」の部分にフォーカスし、ラーメン屋という誰もがイメージできる店で、単純化した話です。実際には日本の社会主義的な医療体制は、さまざまな問題を抱えており、複雑怪奇なものになっています。
私は、患者や病院を批判したいわけではありません。私も、自分が病気になったときは病院に診てもらいに行きます。つまり、「公金チューチュー」しに行っています。他に選択肢がないからです。