今2025シーズン、徳島ヴォルティス(2017-2020)、浦和レッズ(2021-2022)の監督を歴任したスペイン人指揮官、リカルド・ロドリゲス監督を新指揮官に迎え、好調な序盤戦を戦っている柏レイソル(現時点2位)。

柏の監督といえばネルシーニョ監督の名が最初に浮かぶが、実際、2度就任し(2009途中-2014、2019-2023途中)、J1(2011)天皇杯(2012)ルヴァン杯(2013)とタイトルをもたらしたとあって、今でもサポーターからは“クラブ史上最高の監督”と認識されている。

問題はその他の監督だ。JFL時代、元ブラジル代表FWカレカとミューレルを獲得し、ブラジル路線をひた走っていた柏だが、ネルシーニョ監督以外のブラジル人監督で成功と呼べるのはニカノール監督(1996-1997)のみ。しかし1998シーズン、ヴェルディ川崎から引き抜かれてしまう。

日本人監督で成功と呼べるのは、クラブ初タイトルとなる1999年のナビスコ杯(現ルヴァン杯)を獲得した西野朗監督(1998-2001途中)と、J2時代の2006シーズンに就任し、1年でのJ1復帰に導いた石崎信弘監督(2006-2008)の2人くらいだ。

内部昇格の形で就任した吉田達磨監督(2015)も下平隆宏監督(2016途中-2018途中)も短期で退任し、皮肉なことに他チームで手腕を発揮した。

シーズン途中での監督交代は9回を数え、未だにネルシーニョ監督時代の“幻影”を追っている感のある柏。徳島時代にはJ2優勝(2020)、浦和時代には天皇杯優勝(2021)に導いたロドリゲス監督が柏にタイトルをもたらせれば、その幻影からサポーターを解放させるだけではなく、次期日本代表監督候補にも名前が挙がる可能性すらある。