京都唯一のタイトルである2002年天皇杯優勝時はゲルト・エンゲルス監督だったが、基本的には外国人監督との相性が悪いクラブでもある。曺監督は湘南ベルマーレの監督時代(2012-2019)、パワハラ行為によって1年間のコーチライセンス停止処分を受けた過去があるが、同じ過ちを犯さない限り、長期政権を築く可能性もあるだろう。

清水エスパルス(1993シーズン以降のべ24人)
1993年のJリーグ創設から参加している「オリジナル10」の1つで、元々はそれほど監督交代を繰り返すクラブではなかった清水エスパルス。
しかし、長谷川健太監督(2005-2010)、アフシン・ゴトビ監督(2011-2014途中)の後、2シーズン連続で監督交代を繰り返し、J2降格も経験すると、2019シーズンから2023シーズンまで5年連続で監督を途中解任し、方針に一貫性のないクラブというイメージが定着してしまう。
監督途中交代11回という記録は、オリジナル10の中では浦和レッズの10回を超える“不名誉なJ記録”だ。浦和と違う点を挙げれば、サポーターが求める優勝という目標に届かなかった末での監督交代である浦和に対し、清水の場合、いわゆる“尻に火が付いた”状態での監督交代が目立つ点だろうか。
2度目のJ2を戦い、昇格プレーオフで敗れた2023シーズン末、秋葉忠宏監督を続投させた人事には、“解任慣れ”した清水サポーターは驚いただろう。しかし翌2024シーズンにJ2優勝を果たし、J1を戦う今2025シーズンも堂々たる戦いぶりを見せているとあって、その決断は誤っていなかったと感じさせる。
そのキャラクターから“体育会系”の指揮官に見られがちだが、フォーメーションも臨機応変で、可変式システムも多用するなど“隠れた戦術家”の顔も持ち合わせている秋葉監督。サッカーの中身にも厳しい清水サポーターからも支持されていることで、当分は安泰だろう。
