後半38分に横浜FMのMF奥大介の得点で同点にされていた草津は、何とか耐えて延長戦に持ち込む。PK戦狙いかと思いきや、今度は頼みの小島が負傷してしまう。交代枠を使い切っていたため、足を引きずりながらプレーを続ける小島。その姿を見て、草津のメンバーは燃えた。
横浜FMの猛攻に耐えた末にDF依田光正(現清水エスパルスコーチ)が延長前半11分にゴールデンゴールを決め、ベスト8進出を決めた。これで2戦連続のジャイアントキリング。しかも今度はJ王者を倒す大金星だ。
準々決勝の相手は、この大会で優勝することになる東京ヴェルディだった。しかし中3日で、2人が出場停止の草津。さすがに3戦連続ジャイアントキリングを演じる余力はなく敗退したが、この大会は同クラブを有名にした大会として記憶されている。
これらの試合は、圧倒的数的不利という極めて厳しい状況の中でも、チーム一丸となって戦術を変更し、限られた戦力で勝利を掴むという、サッカーの醍醐味を伝える好例と言えるだろう。