
4月20日、AFC U-17アジアカップの決勝が行われ、U-17ウズベキスタン代表が前半のうちに退場者2人を出す展開ながらも、U-17サウジアラビア代表を2-0で破り、2012年以来2度目の優勝を果たした。
同試合、ウズベキスタンは何とかスコアレスで前半を乗り切り、後半4分に相手DFのハンドリングによるPKを決め先制に成功。後半25分にはGKからのキックがFWサドリディン・ハサノフに通ると、そのままドリブルでDFをかわし、最後はGKの股の間を抜いてみせた。決勝点を決めたハサノフは同大会のMVPに輝いたが、この勝利は残された9人が大奮闘して得られた結果だ。
「2人退場」という絶望的な状況から勝利を収めたケースは、非常に少ないながらもJリーグでも前例がある。ここでは2人退場によって「イレブン」から「ナイン」となりながらも勝利をつかんだJクラブを紹介したい。

東京ヴェルディ
2005年8月27日:J1第22節鹿島アントラーズ戦/味の素スタジアム2-0
2005シーズンのJ1第22節東京ヴェルディ対鹿島アントラーズは、両軍合わせて警告10枚、退場者3人を出した大荒れの試合となった。先に退場者を出したのは鹿島で、前半17分、37分と立て続けに警告を受けたDF岩政大樹が退場。しかし当時の鹿島トニーニョ・セレーゾ監督は代わりのDFを投入することはせず、MF青木剛を1列下げることで対応した。
しかし後半、東京VのFWワシントンが6分、12分と立て続けに得点すると、セレーゾ監督はFW鈴木隆行、MFリカルジーニョ、FW深井正樹と攻撃のカードを次々と切る。
10人になりながら猛攻を仕掛ける鹿島に対し、受けに回ってしまった東京Vは、後半18分にMF戸田和幸が2枚目の警告で退場となり数的同数に。さらに44分には途中から出場したMF玉乃淳も退場し9人になってしまう。数的不利となったのが終了間際だったため、2点を守り切り完封勝利を収めた。