オフサイド(攻撃側の選手が相手チームのゴール前で待ち伏せすることを防ぐために定められたルール)は、初期の頃、選手がボールより前にいれば反則という厳格なルールだった。それはラグビーに近いもので、攻撃が極めて制限され、ゴールがなかなか生まれないという問題が生じた。

1925年に緩和され、相手DFラインを越えた場所に2人以上の選手が必要となり、結果、サッカーが攻撃的となりゴール数も増加。現代サッカーの基礎が築かれた。FWの動きが試合の流れを左右するようになり、戦術の多様性が向上。「トータルフットボール」なる戦術も誕生し、それに対応するための守備戦術「オフサイドトラップ」も生まれた。

そして2022年、オフサイドのルールが大きく改正される案が示された。現行のルールでは、攻撃側の選手の体が一部でもオフサイドラインより前に出ていれば反則となる。一方で検討されているルールでは、攻撃側の選手の体が一部でもオフサイドラインより後ろに残っていれば反則とはならないという。

すなわち、「オフサイドラインより前に少しも出てはいけない」から「オフサイドラインより後ろに少しでも残っていればOK」に変わるものだ。この変更は、より攻撃側に有利となり、より多くの得点が入る変化が期待されている。FIFAの試算によると、得点数が50%増加すると分析されている。


レネ・イギータ 写真:Getty Images

GKへのバックパスルール(1992年導入)

GKへのバックパスルールは、フィールドプレイヤーからGKへのパスに関して、GKが手で扱えないというもので、2つの場面で適用される。1つは、フィールドプレイヤーが足で意図的にボールを蹴った場合、もう1つはフィールドプレイヤーがスローインでボールを戻した場合だ。

GKが味方からの意図的なバックパスを手でキャッチすることを禁止したのは、1980年代、守備的なチームが1点のリードを守り切るため、バックパスを繰り返して時間を浪費する戦術が問題視されたことがきっかけだ。