札幌のJ2降格と監督交代が彼にとってはチャンスとなり、第4節から7試合連続スタメン出場を続けている。今季まだ2得点だが、シュート決定率14.2という高い数字を誇るだけに、29歳と脂の乗り切った年齢と193㎝90㎏の恵まれたフィジカルを生かした彼の得点が、今後の札幌を浮上に導けるかカギを握っているといえるだろう。


Jリーグは1993年の創設以来、ブラジルや韓国、欧州からの外国籍選手が中心で、アフリカ人選手の数は、欧州5大リーグと比べると圧倒的に少なく、今もその傾向は続いている。これは、Jリーグの予算やスカウティングネットワークの限界、アフリカ人選手の欧州志向が強いことも要因の1つだ。

オルンガのMVP受賞以降、Jクラブはアフリカ人選手のポテンシャルに注目しつつも、実際に契約に至るケースは少ない。かつてオルンガ自身も「もっとアフリカ人選手がJリーグに来てほしい」と語ったように、将来的にはアフリカ人選手のJリーグ参戦の可能性は大いに残されている。

アフリカ人選手のスカウティングには、言語や文化の壁、ビザの問題、さらには欧州クラブとの競争も障壁となっている。また、Jリーグの外国人枠も、クラブがアフリカ人選手を獲得することを躊躇する要因となっている。

今後、Jリーグがアフリカ市場へのスカウティングを強化すれば、オルンガのような成功例が増える可能性があるが、そこまでのリスクを取るクラブが現れるかは不透明だ。しかし、ファンの立場からすれば“未知の逸材”が大爆発し、リーグを席巻する姿を期待しているのも、また事実なのだ。