2018シーズンの柏は、2017シーズン4位でACL(AFCチャンピオンズリーグ)にも出場し、J1優勝の期待も掛けられていた。開幕戦のアウェイ、ベガルタ仙台戦(ユアテックスタジアム仙台/0-1)は落としたものの、開幕5戦で2勝1敗2分けと、まずまずのスタートを切るも、ACLグループリーグ敗退が決まると、イレブンの疲労がボディーブローのようにチームを蝕んでいく。

決して大型連敗したわけではなかったが、快勝したかと思ったら次戦では大敗するなど、安定感のない戦いぶりで、最終節を残してJ2降格が決定してしまった。同シーズン、夏の移籍で加入したオルンガは3得点を記録したが、降格からチームを救うことはできずも残留した。

2019シーズン、J2ではレベルの違いを見せ、30試合27得点を記録したオルンガ。チームは1年でのJ1復帰と同時にJ2優勝を決め、特に最終節の京都サンガ戦(三協フロンテア柏スタジアム)では、13-1という、およそサッカーのスコアとは思えない大勝を収め、この試合で8得点を記録。これは今でもJリーグ記録で、今後破られることはまずないだろう。

特筆すべきはその翌2020シーズンだ。2017シーズン3人目の監督として指揮を執ったネルシーニョ監督の下、降格と昇格を経験しつつ、チームの土台を作り上げたことが結実し、J史上初の「J1昇格クラブの優勝」という快挙を成し遂げる。チーム総得点85のうち、オルンガは27得点を挙げ、得点王、MVP、ベストイレブンに選出された。アフリカ人選手唯一のMVPだった。

優勝を置き土産に、カタールリーグのアル・ドゥハイルに移籍したオルンガは、2021シーズンのACLとカタールリーグでも2度の得点王を獲得(2021-22、2022-23)し、31歳の現在も健在ぶりをアピールしている。


ドゥンビア・セイドゥ 写真:Getty Images

ドゥンビア・セイドゥ(コートジボワール)

柏レイソル(2006-2008)、徳島ヴォルティス(2008)、2021年引退