サポーターは考えたくもないだろうが、仮に横浜FMがJ2に降格したとして、ジローナの道を行くかトロワの道を行くかは、筆頭株主である日産自動車に掛かっているといっても過言ではない。経営不振が伝えられる中、その金庫からさらなる補強資金を捻出することは可能なのか。それが不可能であれば、“J2沼”にハマり込んでしまう可能性もあるだろう。

しかし一方で、日産自動車が横浜FMの経営を負担に感じているのであれば、CFGへの“売り時”と考えることもできる。全株式を売却する必要はなく、株式比率を逆転させればいいだけの話だ。

胸スポンサーにもスタジアム名にも「日産」の名を残せば、1972年創部の日産自動車サッカー部の歴史を紡ぐことは可能で、実際、RB大宮もユニフォームスポンサーとしてNTT東日本の名を残している。さらに言えば、CFGはレッドブルと比べ、サッカークラブ経営のノウハウの面で圧倒的に優位性がある。

何しろ横浜FMは、日本最多の7万2,327万人の収容人数を誇る巨大スタジアムをホームとするビッグクラブだ。その事実は、例えJ2に降格したとしても変わりようがない。J随一の名門クラブが、UAEはじめ中国や米国の投資家たちが出資する外資系企業によって生まれ変わる姿を見てみたいという思いもある。

それが実現した時、Jリーグは新たなフェーズに入ったといえるのではないだろうか。