現時点で他チームよりも1試合消化が多い中、1勝しかできず19位に沈む横浜FMだが、救いがないわけではない。今季のJ1は稀に見る大混戦で、首位を走るアビスパ福岡との勝ち点差はまだ11だ。3連勝でもすれば一気に中位にジャンプアップできる。横浜FMの総得点は10だが、総得点9のファジアーノ岡山が4位にいることを考えれば、失点癖が改善できればチーム状態も上向くだろう。

さらに、20日に行われるJ1第11節浦和レッズ戦(埼玉スタジアム)後には、サウジアラビアでセントラル開催されるACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)準々決勝で27日、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドや、セネガル代表FWサディオ・マネを擁するアル・ナスル(サウジアラビア)戦に向かう。

ここで勝利すれば、一気に風向きが変わる可能性もある。リーグ戦で四苦八苦するチームが天皇杯やルヴァン杯で快進撃を演じるケースは“Jリーグあるある”だが、ビッグネームを揃えた金満クラブを完全アウェイの状態で下すとなれば、息を吹き返す可能性も十分あるだろう。

しかし仮にACLエリートで優勝したとしても、当然ながらそれがJ1順位表に反映されるわけではない。それどころか酷暑の中での試合を強いられ、コンディションを悪くして帰国する可能性もある。優勝賞金はなんと1,000万ドル(約14億円)であり、準々決勝進出で既に700万ドル(約10億円)を手にしている横浜FMだが、その代償は少なくないのだ。


マンチェスター・シティ 写真:Getty Images

CFGは横浜FMの買収に動くのか

横浜FMとシティ・フットボール・グループ(CFG)の関わりは、2014年、オーナー企業の日産自動車との「グローバルサッカーパートナーシップ」を締結したことによる。株式比率は約20%。CFGの日本法人シティ・フットボール・ジャパンは当初、過半数の株式を取得し、買収する意思はないとしていたが、2020年、Jリーグ規約の改正で外資系企業によるJクラブの保有が解禁された。