2015シーズンに清水に加入したオーストラリア代表FWミッチェル・デューク。ファーストステージ第11節ヴィッセル神戸戦(ノエビアスタジアム神戸/2-1勝利)で早くも移籍後初ゴールを記録したが、本来のポジションではないウインガー起用が多く、リーグ戦29試合に出場したものの得点はこの1得点に終わた。このシーズン、清水はクラブ史上初めてJ2に降格する。
J2を戦うことになった2016シーズンは開幕から7試合連続出場し、チームの中心選手となるデュークだったが、今度は前十字靭帯損傷の重傷を負う。チームはリーグ最終節で1シーズンでのJ1復帰を決めたものの、彼の貢献度は少なかった。
2017シーズンからもセンターフォワードとしては見なされず、その豊富な運動量とデュエルの強さが買われてウイング起用が続き、在籍通算106試合出場の一方で、通算5ゴールに終わった。清水に在籍していた際の印象は、“サイドで走り続ける汗かき役”というイメージだったが、本来、彼は点取り屋だ。自分が思い描く役割を与えられなかった苦悩もあっただろうが、彼はチームのために走り続けた。
その後、母国Aリーグのウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(2019-2020)、サウジ・プロフェッショナルリーグのアル・タアーウン(2020-2021)を経て、2021シーズン、当時J2のファジアーノ岡山に加入し、再びJの舞台に帰ってくる。
岡山では即レギュラーとなり36試合8得点を記録。そしてシーズン後に開催された2022年のカタールW杯では豪州代表として出場し、グループリーグ第2戦のチュニジア代表戦ではゴールを決め、マン・オブ・ザ・マッチにも選出された。このデュークの得点は、同大会でJリーガーが決めた唯一の得点となった。
岡山と豪州代表での活躍により、2023シーズンにJ2町田ゼルビアに移籍すると、34試合10得点で同クラブ初のJ1昇格に大いに貢献。昨2024シーズンのJ1でも33試合に出場。今2025シーズンは3試合出場に留まっているが、2026年W杯北中米大会アジア最終予選を戦う豪州代表には名を連ねており、2大会連続W杯出場も現実味を帯びてきている。