2015シーズン、清水にやってきたナイジェリア人FWピーター・ウタカ。当初は謎だらけの経歴で“年齢詐称疑惑”も囁かれるほどだった。しかし、チームは低迷しJ2降格の憂き目に遭ってしまうのだが、ウタカは独り気を吐き28試合で9得点を記録。その決定力に目を付けたサンフレッチェ広島に期限付き移籍することになる。
2016シーズン、広島では不動のエースだった元日本代表FW佐藤寿人(2020年引退)のポジションを奪い、センターフォワードに座ると19得点を記録し、FWレアンドロ(当時ヴィッセル神戸)と共にJ1得点王に輝いた。
ところが年俸が上がってしまったことが災いし、清水復帰も広島残留も叶わず。2017シーズン広島に完全移籍した上でFC東京に期限付き移籍する。同シーズンはリーグ戦で25試合出場8得点と期待されたほどの活躍を果たせず、2018シーズン、デンマーク2部のヴェイレBKに半年契約で移籍。しかも6試合出場無得点に終わる。
しかしJクラブはまだウタカを見限ってはいなかった。2018年6月、徳島ヴォルティスに完全移籍すると半年で18試合出場6得点を記録。その後、ヴァンフォーレ甲府(2019、2023-2024)、京都サンガ(2020-2022)とJクラブを渡り歩き、京都在籍時の2020シーズンは22得点でJ2得点王のタイトルを獲得した。
昨2024シーズン、甲府と契約満了となって以来浪人状態にあったウタカだが、3月27日、今季からJ3に参入した栃木シティへの電撃加入が発表され、初出場となったJ3第9節高知ユナイテッド戦(高知県立春野総合運動公園陸上競技場/5-0)では後半28分に途中出場すると、その8分後の後半36分に早速、挨拶代わりの初ゴールを決めてみせた。
まだJ3が10節しか終わっていないことや、チームの好調ぶりを考えると、J史上初のJ1・J2・J3全てのカテゴリーでの得点王獲得も夢物語ではないだろう。