現在負傷者が続出している町田にあって、黒田剛監督からの信頼も厚いデュークの存在は心強いだろう。得点力と献身性を併せ持った彼のプレースタイルは、“日本人以上に日本人的”とでも言えそうなもので、何よりもその真面目さはチームに好影響をもたらすだろう。

オ・セフン(清水在籍:2022-2024)
2022シーズン、蔚山現代から完全移籍で清水に加入したFWオ・セフン。U-17、U-19、U-23と年代別韓国代表に選出され、Kリーグでも実績があり、兵役も済んでいたこともあって、期待をもって受け入れられた。
しかし、当時の清水には、そのシーズン得点王を獲得することになるFWチアゴ・サンタナ(現浦和レッズ)がいた。オ・セフンはサンタナの壁を超えることはできず、もっぱらカップ戦要員に留まり、リーグ戦では通算38試合3得点に終わる。
そこに狙いをつけたのが、2024シーズン、初のJ1に挑むことになった町田だった。原靖フットボールダイレクターが、過去に清水のスポーツダイレクターだった縁もあり、両クラブ間の選手の行き来は多く、オ・セフンの期限付き移籍(翌年、完全移籍に移行)もその一環で実現したものだ。
町田ではいきなり33試合出場8得点の結果を残すと、今2025シーズンは第10節終了時点で全試合に出場、うち9試合でスタメン出場するなど、完全にチームの中心的存在に成長した。
同時に2026W杯北中米大会アジア最終予選に臨んでいる韓国代表にも選出され、いきなり2戦連続ゴール。プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーで活躍するエースFWソン・フンミンの相棒の座を掴もうとしている。
移籍を機にレギュラーポジションを奪い、代表選出、そしてW杯出場というシンデレラストーリーの途中にあるオ・セフン。逆に現在、センターフォワード不足に悩む清水のサポーターは「セフンがいれば…」とないものねだりを呟かざるを得ない心境だろう。
