私たちの会社では、こうした姿勢のルールを守れない人は昇格できません。
尾藤:それは厳しい方針ですね…
安藤: 「昭和的」と批判されるかもしれませんが、私たちは「決めたことを実行できるか」という点を重視しています。例えば社長が「社訓の唱和」が必要だと判断したなら、全員が真剣に唱和する組織文化を作ることが前提なのです。
尾藤:会社全体で変えるべきことと部門ごとに変えるべきことの区別はありますか?
安藤:私たちの考え方では、組織運営には「答え」があるのです。その答えに沿って実行するだけなので、本質的には難しくありません。ただし、組織規模が大きくなればなるほど、その考え方を理解する人の比率を高める必要があります。50人規模と大企業では取り組み方が変わってきますが、適切な機会をいただければ十分に実現可能です。
現在、私たちは二種類のプログラムを提供しています。「理論を教えるプログラム」と「機能を組織にインストールするプログラム」です。
削ぎ落すコンサルティング
尾藤:コンサルティング業界の出身者に対する市場の見方はいかがですか?
安藤:私たちのアプローチは「削ぎ落とす」コンサルティングです。一般的なコンサルは「付け加える」ことに注力しますが、私たちは最終的にシンプルな状態、つまり本当に必要なものだけを残す方向で進めます。
例えば、モチベーションサーベイのようなものは本来不要です。仕事の第一の目的は稼ぐことです。また、過剰なミーティングや、「頑張った社員に同僚がポイントを贈れる」といったPOSのようなシステムも、実質的な意味はありません。新しいものを導入するよりも、余計なものを取り除くことが重要なのです。
尾藤:日本企業は不要なことを多くしているということですね。
安藤:その通りです。日本企業は余計なことばかりをしています。そして重要なのは、これらを排除することは単にゼロになるのではなく、プラスになるということです。