CL2度目の出場となった2000/01シーズンは、デビッド・オレアリー監督の下、元アイルランド代表FWロビー・キーン、元オーストラリア代表FWハリー・キューウェル、元イングランド代表FWアラン・スミスといった強力な攻撃陣に加え、元フランス代表MFオリヴィエ・ダクール、元イングランド代表MFリー・ボウヤー、元イングランド代表DFリオ・ファーディナンドといった若手とベテランの融合で、レアル・マドリードやラツィオと同居したグループリーグを2位通過すると、準々決勝ではデポルティーボを破り4強進出。準決勝でバレンシアに敗れた(2戦合計0-3)が、同大会の台風の目となった。
しかしその後、大型補強がたたって財政難に陥ったリーズは、2007年には約84億円の負債を抱えて破産。これに伴いEFLリーグ1(3部)へ降格する。クラブは何度も買収や売却を繰り返すも財政難は変わらず、これが解消されたのは、スポーツメディアグループ「イレブン・スポーツ」の創業者でイタリア人実業家のアンドレア・ラドリッツァーニ氏がオーナーに就任してからのことだ。
ラドリッツァーニ氏は2018/19シーズンを前に、“エル・ロコ(変人)”と呼ばれる稀代の戦術家でもあるアルゼンチン人監督マルセロ・ビエルサ氏(現ウルグアイ代表監督)を招聘。就任2年目の2019/20シーズンに2部優勝とプレミアリーグ昇格を成し遂げ、古豪復活を印象付けた。
2022/23シーズン、19位で再降格の憂き目に遭うが、以前のような身の丈に合わない大型補強とは無縁の堅実経営に徹した。前述の田中碧や、2018/19シーズンに所属した元日本代表MF井手口陽介(現ヴィッセル神戸)の獲得は、その延長線上によるものだ。
仮にプレミア昇格を果たしたとしても、欧州カップ戦出場権を得るまでには相当長い道のりが待っているだろう。しかし、ド派手な黄色のユニフォームを着用し、攻撃サッカーを繰り広げる黄金期のリーズに魅せられた日本のプレミアリーグファンは多い。今季“超”の付く古豪のノッティンガム・フォレストが欧州カップ戦出場権争いを繰り広げていることから、再びリーズが欧州の舞台に戻ってくる日もそう遠くないのではないのか。日本のファンは首を長くして待っている。
