人口約5万人の街をホームとする典型的地方クラブだったビジャレアルを一躍有名にしたのが、4強に進出した2005/06シーズンのCLだろう。グループリーグを1位で突破すると、決勝Tラウンド16でレンジャーズを、準々決勝でインテルを破り、街は燃えに燃えた。

当時の監督はチリ人指揮官のマヌエル・ペレグリーニ氏。この大躍進で翌シーズンにはレアル・マドリードに引き抜かれた。セレッソ大阪(2014-15)でも活躍し、現在はプロテニス選手に転向した元ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランと元スペイン代表FWホセ・マリの両エースと、トップ下には元アルゼンチン代表MFフアン・ロマン・リケルメを配し、その両脇を元スペイン代表MFマルコス・セナと元アルゼンチン代表MFフアン・パブロ・ソリンが固め、中盤の底には元イタリア代表MFアレッシオ・タッキナルディを置く攻撃サッカーを披露し、快進撃を演じた。

準決勝でアーセナルに2戦合計0-1で敗れ、CL決勝進出はならなかったビジャレアル。しかし、毎シーズン欧州カップ戦に出場し続け、今季もCL出場権を得られるチャンスが残されていることで、再び旋風を巻き起こす可能性もあるだろう。以前と異なるとすれば、既に欧州カップ戦の常連となっていることで、上位進出したとしてももはやサプライズではないといった点だろうか。


ジョゼ・モウリーニョ監督 写真:Getty Images

ポルト(ポルトガル)2003/04CL優勝

この2003/04シーズンのCLは、優勝したポルトというクラブよりも、後に世界的名将となるジョゼ・モウリーニョ氏(現フェネルバフチェ監督)を有名にした大会といっても過言ではないだろう。

下馬評では“アウトサイダー”という評価だったが、グループリーグを2位突破すると、決勝Tラウンド16ではマンチェスター・ユナイテッドを、準々決勝でオリンピック・リヨンを撃破。準決勝のチェルシー戦では2戦合計5–3という壮絶な撃ち合いを制し、その勢いで決勝でモナコを3-0で完勝して優勝している。