雷が走る際に放出されるかすかな電磁波を複数地点で検出し、信号到達のタイムラグを三角測量する手法によって、落雷地点をほぼリアルタイムで特定できます。

従来は焦げ跡や地上の被害状況から推定するしかなく、隣の木に伝播した電流との区別が曖昧になりがちでしたが、こうした高精度なシステムにより「どこに雷が落ちたのか」を確実に把握できるようになりました。

システムが示す地点にはすぐに調査隊が向かい、ドローンを飛ばして上空から木々の状態を撮影します。

背の高い密林を人力でかき分けるよりはるかに効率的で、真上からの映像によって折れた枝や枯死範囲が一目瞭然です。

とりわけ、中心となった木の幹や樹冠、周囲の林床に至るまで、どこがどんなダメージを受けているかを瞬時に俯瞰できる点が新しいアプローチだといえます。

状況によっては実際に木に登って幹や枝の状態を詳しく観察しますが、まずはドローンが“現行犯逮捕”のように落雷の影響を捕捉するため、無駄がありません。

こうして一定期間調査すると、93本の木が雷に直撃していたことが判明し、そのうち約56%は最終的に枯死してしまいました。

しかし、なかには驚くほど被害の少ない木があり、とくに大型樹として知られる「エボエ(Dipteryx oleifera)」は10個体すべてが致命的ダメージを逃れたのです。

平均して8%程度の枝枯れ(crown die-back)は見られたものの、いずれも大きく衰えることなく生き延びたことが確認されました。

しかも雷の電流が周囲の樹木やツル植物に波及し、それらが次々と枯死するケースが複数回目撃され、エボエ(Dipteryx oleifera) 本体は“ほぼ無傷”のまま日の光や生育空間を独り占めするような状況になっていたのです。

調べていくうち、同じ雷が巻き添えで枯らすツル植物の多く(約78%)がこの木から離れ、結果的に負担が大幅に減るという事例もわかりました。