この研究結果を鵜呑みにするなら、2022年時点で国民の医療費総額は46.7兆円ですから 少なめに3%と見積もった場合1.4兆円が終末医療によって毎年浪費されている計算です。

結構でかいな…

あぁ。1.4兆円あればかなり色々できると思うんだけどな。
「家族が終末期に差し掛かったとき、同じことが言えるのか!!!!」
と言うのが典型的な反論だと思いますが、そもそもこの状態になって生きていると言い切るのは考える余地が多分にありそうです。

でも終末医療って、全体のたった3%なのか。 なんか少しインパクトには欠けるな。

紹介した研究は「死の1ヶ月前から施される医療」を終末医療と定義しているが、少し定義を広げて考えてみよう。
また、終末期手前の「要介護4~5」の状態も議論の余地が多分にあるでしょう。
生活のあらゆることを介助なしで実行できない場合「要介護4以上」に認定されます。食事も、排泄も、何もかもに介助がないと実行できない状態です。
終末医療を「寿命を全うし身体が徐々に朽ちて死にゆく患者に、無理やり延命治療を施す医療行為」と定義するなら、要介護4以上で 生活の全般を自力で実行できなくなった人は すでに寿命を終えていると解釈することも可能でしょう。
2023年時点で、要介護4以上の患者数は148.5万人存在します。
これは、令和2年度の京都市の人口とほぼ同等で、2024年に生まれた子ども68.7万人の2.2倍です。
要介護4以上の高齢者の排泄や食事を、2024年に生まれた子ども全員に介助させる場合 ひとりで2.2人の面倒をみなければならない計算です。
要介護4以上に認定された時点で、絶対に回復することはないでしょう。
何なら、以下の記事で解説していますが 令和の老人はほとんど社会保険料を納めていないのに、納めた金額を遥かに超えるサービスを受けています。