国土交通省の建設工事費デフレータでは年間3.7%の上昇だが、それは全国平均であり、東京の平均は7.1%上昇とみた方が妥当のようだ。
4. 財政シミュレーション
著者は、職員と議論を交わしながら、ブラックボックスであった中野区財政フレームを検証する中で、自分で財政フレームを構築することが可能となった。
そこで上述してきた問題点を踏まえ、以下の計算条件で行った。
【計算条件】 特別区税:当初案 or 過去トレンド8.9億円/年 特別区交付金:当初案 or 過去トレンド18.9億円/年 その他一般財源:当初案 or 過去トレンド7.0億円/年 特別区債:インフレ反映7.1% 人件費:成長移行ケース 公債費:インフレ反映7.1% 一般事業費:過去トレンド28.1億円/年 ハード事業費:インフレ反映7.1% 新規工事あり:当初案 or 毎年200億円※ ※ 区有施設整備計画が出来ていない年度においては毎年200億円の工事費を見込む

図8 中野区の基金残高の推移(再掲、歳入・工事予算案通り)
図8に中野区の基金残高を示す。区の想定では基金が増加する想定だが、インフレ、ソフト費(一般事業費)28億円伸び続けている現実を反映すると、決して安泰な財政運営ではなく、令和13年度には破綻する。

図9 中野区の基金残高の推移(歳入過去トレンド・新規工事あり)
次に歳入過去トレンドとし、区有施設整備計画に定められていない時期における工事費を年間200億円と仮定したシミュレーションが図9である。歳入が区の想定予定も好調だとしてもソフト事業費を増加させ続けると令和14年には財政破綻する。
数字遊びかもしれないが、最悪ケースを想定する必要がある。
ただ中野区の令和7年度予算を議論する中で最も重要であったのは、中野サンプラザ再開発が白紙となったことで施行予定者から収受するはずであった400億円の転出補償金がなくとも財政運営上問題ないかということである。