公債費は特別区債に連動するため、扶助費は国の制度であり、大きく削減することは困難であるため説明を省く。

図4 賃金上昇率(中長期の経済財政に関する試算、pp.6、令和7年1月17日)
人件費であるが、区は上述の財政諮問会議のデータを利用している。
資料のデータは2.8%、2024年度の特別区の人件費の平均上昇率は2.89%であることから、当該年度は妥当であるが、中野区が将来推計に用いているのが過去投影ケースであり、成長移行ケースを採用すべきと考える。

図5 一般事業費の推移(予算額ベース)
次に一般事業費だが、いわゆるハコモノ以外の区民サービスであるソフト事業費の経常経費である。年間増加率約1%と設定しているがインフレの対応としては小さい額である。
そしてこれまでの一般事業費の推移をみたものが図5であるが、現実としては、年間28.1億円のペースで上昇し、5年間で2倍、年率に換算すると14.8%である。1%は理想の数字であり現実的ではないことがわかる。
原因としては新規拡充等事業が増え続けていることと、事業のスクラップが全くできていないことに起因する。

図6 一般事業費・一般財源歳入の推移(予算額ベース)
「一般事業費」と「基金・起債を除いた一般財源歳入」の割合でみると令和2年度18.6%だったものが5年間で30.1%となった。歳入が伸びてもその割合は変わらない。
家庭内で食費、光熱費、家賃など何かの項目がひとつだけ大きくなり、家計に占める割合が急変すれば、どこかにしわ寄せがくることは想像にたやすい。
区としてはこれから施設更新する施設がたくさんあり、貯金をしなければならない時期だが、全くできてない。

図7 工事原価指数グラフ(⼀般財団法⼈建設物価調査会)
次に新規・拡充等事業における工事関連費についてのみ述べる。
⼀般財団法⼈建設物価調査会によると、東京における工事原価指数は2015年1⽉を100とした場合、右肩上がりに上昇し2025年1⽉135.2%となった。過去3年間の上昇を年率平均すると7.1%/年である。