ベネズエラは南米サッカー連盟(CONMEBOL)に所属する10か国のうち唯一、W杯本大会出場経験がない国だ。前述のフィンランドを超える24度目の挑戦で、初の本大会出場を目指している。

2010年の南アフリカW杯予選では過去最高の6位に入ったが、出場枠が「4.5」だったため、上位4チーム(ブラジル、チリ、アルゼンチン、パラグアイ)が出場権を獲得し、5位のウルグアイ代表が大陸間プレーオフへ。ベネズエラは惜しくも敗退となった。

メキシコリーガMXで得点王となった初のベネズエラ人FWサロモン・ロンドンは、近年代表の最多得点記録を持ち、所属のCFパチューカでは昨2023/24シーズン得点王のタイトルを獲得。他にも、2018シーズンにアトランタ・ユナイテッドでMLS得点王の勲章を手にし、現在サンノゼ・アースクエイクスで活躍するFWヨセフ・マルティネスなどの海外組が台頭し、国内リーグ(プリメーラ・ディビシオン)も成長している。

以前までは“野球の国”という印象で、サッカーに関してはアウトサイダーと見なされてきたベネズエラだが、今では他の南米諸国にとって侮れない相手となった。2011年と2019年の南米選手権ではベスト8進出を果たすなど、着実に結果を残している。10か国参加とはいえ群雄割拠の南米予選だが、ベネズエラにとっては千載一遇のチャンスだ。


ニューカレドニア代表 写真:Getty Images

ニューカレドニア(FIFAランキング152位)オセアニア予選

オセアニア予選ではニュージーランド代表が4大会ぶり3度目の本大会出場を早々に決めたが、オセアニア枠が「0.5」から「1.5」となったことで、代表決定戦で敗れプレーオフに回ったニューカレドニア代表も不気味な存在だ。

これまでオセアニア地域からW杯に出場した国はニュージーランドと、2005年にアジアサッカー連盟(AFC)に転籍したオーストラリアのみ。ニュージーランドがFIFAランキング89位で、ニューカレドニアは152位。これだけ見れば“低レベル”と見られそうだが、そこに落とし穴が待っているのではないか。仮にニューカレドニアが本大会初出場を決めれば、W杯史上最もFIFAランキングが低いチームとなる(現在の記録は2010年南アフリカ大会に出場した北朝鮮代表の105位)。