ウズベキスタン代表は、既に中央アジアの勇と評価されている強豪だ。1991年のソ連崩壊に伴い1992年に独立。アジアサッカー連盟(AFC)に加盟し、W杯アジア予選には1994年のフランス大会時から参加しているが、これまで本大会出場には至っていない。最も本大会出場に近付いたのは2006年のドイツW杯予選で、大陸間プレーオフ進出を賭けたプレーオフでバーレーンに敗れた。

今アジア最終予選では、グループAでイラン代表に次ぐ2位につけており、3位のUAE代表との勝ち点差は4であることから、初出場の絶好のチャンスだ。AFCアジアカップでも安定して上位進出(最高成績ベスト8)しており、FIFAランキングでは日本(15位)、イラン(18位)、韓国(23位)、オーストラリア(56位)、イラク(56位)に次ぐアジア6位に位置している。

ウズベキスタンは国内リーグ(ウズベキスタン・スーパーリーグ)が整備され、中でもパフタコール・タシュケントはACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)ではベスト16に進出した。さらに、アンダー世代の代表チームも強力で、2023AFC U-20アジアカップ中国大会で優勝し、2023FIFA U-20W杯アルゼンチン大会ではグループリーグを2位突破しベスト16に進出、2024年のパリ五輪にも出場した。

しかし、A代表は日本、韓国、イラン、オーストラリアといった常連国の壁を乗り越えられないでいる。国民の悲願であるW杯初出場が現実のものとなれば、ウズベク人、タジク人、カザフ人、カラカルパク人、キルギス人、ウイグル人、ドゥンガン人、ロシア人などで構成される多民族国家の強みを生かし、いい意味でアジアらしくない欧州的なサッカーを披露してくれるのではないかという期待感もある。


テーム・プッキ 写真:Getty Images

フィンランド(FIFAランキング69位)欧州予選