多くの業界で燻る中小企業を再成長させたい

——サーチファンドの仕組みを活用し、今後ロケットスターを通してどのような未来を創出したいと考えていますか?
まずは、M&A起業という新たな挑戦の場を創りたいですね。未来を担う起業家が多数活躍するという新しい時代の礎を築いていきたいです。金銭的リスクが小さく、サポートを受けながら経営力を磨き、最終的にオーナー社長になれる可能性も秘めているという仕組みは、私としてはかなり「クール」であり、意義のあることだと感じています。ゆくゆくはこのファンド規模を2号、3号と拡大し1000億円規模のファンドに成長させることで、日本に多くの起業家を生み出していきたいですね。
また、「起業家のチーム化」も理想として持っています。起業家が増えて、起業家同士が経営に関する知見や経験をシェアし合う環境の創出につながれば、事業の失敗確率が下がり、中小企業の底上げが可能になるのではないでしょうか。EO(Entrepreneurs’ Organization)やIB(INNOVATION BASE)などにも刺激を受け、そう考えるようになりました。
またロケットスターの仕組みによって、中小企業が再成長し、内需にとどまらず世界に出ていける企業、外需を稼げる中小企業を多く輩出できれば、日本のビジネスそのものの成長にもつながっていくと考えています。
——見据える未来に向けて、今後の展開を教えてください。
規模を拡大するためには、金融機関との連携や投資領域の拡大も行っていかなければいけないと考えています。これがまだ未着手でほとんど出来ていません。金融機関の皆さまと徐々に対話を開始して、良い形で連携していきたいと思っています。
またもう一つの課題としては、我々は同じ業界の事業会社出身者で構成されているため、得意分野の範囲内でしか投資の展開ができていません。今後、ファンドの規模を拡大させていくことにともなって、投資対象の業界も広げていく必要があります。そういう意味では各業界の専門的な知識を持った人材の確保にも力を入れて仲間集めもしていきたいです。それらを実現して、さまざまな業界に多く存在している中小企業の成長に寄与していきたいですね。
これらを肉付けして更に完成度を高めて、理念の実現に邁進していきたいと思います。
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「経営力さえあれば、企業は必ず再成長できることを証明したい」と話す荻原さん。日本において、サーチファンドのビジネスモデルが確立されるかどうかは、グロース思考という独自性を貫くロケットスターがカギを握っているといっても過言ではありません。
M&AやMBOなど、リターンの出口を探る“金融”としての観点だけでなく、起業家を増やし、日本全体を活性化するという理想を掲げるロケットスターの今後の動向に、期待が膨らみます。
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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