ロケットスターが「グロース」にこだわるワケ

起業家増産計画。グロース思考のサーチファンドが日本再生のカギになる
(画像=『Business Journal』より 引用)

——ロケットスターがこれまでのサーチファンドと違うポイントを教えてください。

 大きく違うのは、成り立ちですかね。サーチファンドは金融事業なので、金融会社の出身者の方々で構成されていたり、金融会社の子会社であったりすることがほとんどだと思います。一方、ロケットスターは自らが「企業をグロースさせた」という経験を持つ事業会社出身者で構成されています。

 また、通常のサーチファンドは「買う・伸ばす・売る」の要素のうち、「安く買う」「高く売る」といった部分を重要視することが多いと思いますが、我々は自分たちの事業経験を活かし、「伸ばす」ことに重点を置いています。企業の成長にこだわることが特徴です。こうした思想に共感し、出資する方の多くが事業会社出身の方や事業会社の経営者である点も、ロケットスターの特徴といえるかもしれません。

——先ほど、サーチファンドはサーチャーに対するサポート体制があるというお話がありましたが、ロケットスターのサポート体制で特徴的な部分はありますか?

 サポート体制としての特徴は大きく、

  •  メンターによる経営のサポート
  •  トップライン向上のための営業サポート
  •  企業価値を上げる管理サポート

 この3つがあります。社長は日々意思決定を迫られることが多く、プレッシャーも大きいポジションです。とくに、これまで企業のトップとして動いた経験がないというサーチャーであればなおさらです。そこに対して、出資者を含めた経営経験豊富なメンターからのアドバイスを受けられる仕組みを整えています。メンターの存在によって意思決定の精度が上がったり、新しいマネジメント手法に気づくことがあったりと、業績に対してさまざまなプラス要素が生まれます。

 MBOのスキームなどに対しても、メンターからのアドバイスなどができるようになればと思っていますね。トップライン向上のサポートとは、おもに営業支援やデジタルマーケティング施策の提供です。我々が事業会社で経験したことを活かし、成長戦略にフォーカスし、売上拡大に貢献するサポートをできればと思っていますね。特に私は営業組織の構築やデジタルマーケの仕組み作りが大好きですし得意な領域です。

 3つ目の管理サポートで行うのは、管理部門の強化です。サーチャーが社長として事業に専念できるよう、低コストで運営できる管理部門の仕組みを提供します。管理体制が整っていない企業は信頼性が低く、いよいよ売却するぞ!と思っても売却先の企業に二の足を踏まれてしまうことがあります。このように、管理部門は企業価値に大きく影響する部分なのです。上場前の企業が管理部門を強化しはじめるのも、こうした理由があります。

 このように、グロースと管理部門、両輪をサポートしていくことが我々のサポートの特徴といえるかもしれません。