この生物が活躍していたとされる約4億年前は、まだ森林が十分に発達しておらず、陸上生態系としては過渡期でした。
それゆえ、もしプロトタキシテスが数メートルから最大8メートルもの高さに達していたなら、当時の地表環境に相当なインパクトを与えていたはずです。
ところが、今回の分析では腐生(サプロトロフィー)的機能を示す化学指紋は見当たらず、キノコのように地表の落ち葉や倒木を分解する役割でもなかった可能性があります。
その生態やライフスタイルは、私たちの想像を超えた未知の領域にあるかもしれません。
今後は、世界の他地域からもプロトタキシテスに似た化石が見つかるのか、あるいは全く別の絶滅系統が潜んでいるのか──そうした探索が進むにつれ、4億年前の地球が、想像をはるかに超える“別世界”を抱えていたことが、さらに明確になるかもしれません。
全ての画像を見る
元論文
Prototaxites was an extinct lineage of multicellular terrestrial eukaryotes
https://doi.org/10.1101/2025.03.14.643340
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部