今、連邦政府は深刻な財政危機のまっただ中にあります。次の2段組グラフ上段で明らかなように、政府支出は2021年3月コロナ騒動ピーク期の12ヵ月累計で7兆6000億ドルを記録して以来4年ぶりに、今年の1月までの12ヵ月で7兆1000億ドルと7兆ドルの大台に乗せました。
そして下段は、米国財務省債の平均金利が急騰しているため、何ひとつ新しい政策出費がなかったとしても利払い費負担の激増によって政府支出は増加することを示唆しています。
世間では「イーロン・マスクが長官を務める政府効率化省(Department of Government Efficiency、DOGE)が予算に大ナタをふるうから、大丈夫」といった言説も流布しています。
ですが、自分の経営している企業群が政府補助金頼りで辛うじて存続している状態な上に、増やすほど世界中に敵をつくるイスラエル支援には指一本触れないとイスラエル政府に忠誠を誓っているマスクが、本格的に政府の冗費を節減できるはずがありません。
民主党リベラル派の政敵潰しによる「経費削減」を大幅に水増しした数字で宣伝しまくるだけのことです。既に現状で高金利で惹きつけた海外資金に国債を買ってもらわなければ立ちゆかないアメリカの財政基盤は、さらに劣化するでしょう。
そして、一時改善の兆しが見えた銀行業界が抱える含み損が、とくに償還まで保有分の債券類でまた拡大に転じました。次の2段組グラフ上段です。
建前上は、米国政府が破綻しないかぎり米国債は途中経過でどんなに安くなっても、償還まで持ちつづけることができれば額面どおりの元本が返ってきますから、あまり心配する必要はない数字だということになります。
しかし、銀行は償還まで持ちつづける気でいたとしても、どうしても支払う必要のある現金が揃わなければ巨額損失を実現してしまうことを覚悟で額面よりはるかに安くなっている債券を売らざるを得ないこともあります。