また計算によれば、暗黒ビッグバンは陽子の10兆倍もの質量を持つ巨大暗黒粒子を生成することが判明しました。

(※研究者たちはこの巨大粒子を日本のゴジラから名前をとり「ダークジラ(darkzillas)」と命名しました)

2度目のビッグバンと言うと怪しげに聞こえるかもしれません。

しかし超高温高密度の点(宇宙の素)やインフレーション、そしてビッグバン(最初の)など、既存の理論も提唱された当時は「眉唾物」と考えられていました。

ビッグバンの名称も否定派たちが「ありえない」として嘲笑する目的でつけられた用語であることが知られています。

(※日本語で言えば「だいばくはつ(笑)」のようにバカにする目的で名付けられました)

しかし1960年代になると、明確な証拠が発見されました。

膨張する宇宙におけるビッグバンの「余波」
膨張する宇宙におけるビッグバンの「余波」 / Credit:WMAP . wikipedia

宇宙のどの方向からも、宇宙マイクロ背景放射とよばれる放射線の波が発せられており、これは膨張する宇宙におけるビッグバンの「余波」としてのみ説明できるものでした。

人類の目が宇宙の深淵からの信号に気付いたことで、初期宇宙の姿が明らかになった瞬間と言えます。

そして嘲笑目的でつけられた「ビッグバン」は、重要な理論を代表する名前となっていきました。

では暗黒ビッグバンにも宇宙背景放射のような大逆転を起こす、明確な証拠は存在するのでしょうか?

暗黒ビッグバンの証拠は宇宙背景重力波に刻まれている

重力波はブラックホールや中性子星などの高密度天体の衝突によって生る
重力波はブラックホールや中性子星などの高密度天体の衝突によって生る / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

研究者たちは、宇宙の初期に起きた「暗黒のビッグバン」という現象による相転移(物質の状態が急激に変わる現象)が、重力波という時空における波紋を生み出した可能性があると述べています。

重力波は、水に石を投げ込んだときに生じる波紋のようなもので、2016年に初めて検出されました。