もしこの重力波の「ハム音」に方向性が見られる場合、特定の方向で起こったブラックホールや中性子星などの衝突による波紋と考えられます。

しかし方向性がみられず、宇宙背景放射のようにどの方向からも同じような値(重力波のハム音)が検出された場合、それは宇宙初期の未知の相転移の信号、それも宇宙背景放射とは異なる大爆発の痕跡、すなわち暗黒ビッグバンの証拠となるでしょう。
そしてその瞬間、かつてのビッグバン否定派が体験したように「暗黒ビッグバン(笑)」「2度目のビッグバン(笑)」という嘲りから「笑」が取れて、私たちは真顔で受け止めることになるはずです。
全ての画像を見る
参考文献
There may have been a second Big Bang, new research suggests
https://www.livescience.com/a-dark-big-bang-may-have-flooded-the-universe-with-invisible-matter-new-study-proposes
見えてきた「宇宙のはじまり」ビッグバン直前の一瞬を説く「インフレーション理論」
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/f_00066.html
元論文
Dark Matter and Gravity Waves from a Dark Big Bang
https://doi.org/10.1103/PhysRevD.107.083522
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。