しかも、政治資金パーティー裏金問題での、「政治家個人宛の寄附」違反の問題は、決して、「解決済み」の問題ではない。
丸川珠代元参議院議員に対する私と上脇博之神戸学院大学教授の告発事実が、まさに、この政治家個人宛寄附禁止違反である。検察は、「嫌疑なし」として不起訴にしたが、10月に行った検察審査会への申立の審査が継続しており、近く議決が出る見込みだ。
裏金問題で、収支報告書虚偽記入で起訴された池田元衆院議員・大野参議院議員の公判の見通しも全く報じられておらず、この公判でも、本来は、「政治家個人宛寄附」違反で処罰すべき事案であったことが表面化する可能性もある。
また、今年1月、東京都議会の自民党会派で政治団体の「都議会自民党」が政治資金パーティー収入など計約3500万円を会派の政治資金収支報告書に記載しなかったとして、会派の経理担当職員が政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で略式起訴された。
このことで、「裏金問題」が、今年6月に都議会議員選挙を控える自民党都議会議員に「飛び火」しており、ここでも、検察の従来の処理方針どおりに、ノルマ超の売上の還流金は、「政党支部宛の寄附」だったとして処理されようとしている。
ところが、都議会議員の場合、秘書の数も議員によって異なり、事務所による政治資金の収支管理がどの程度行われていたのかも不明で、政治団体側からは「自由に使ってよい金」と説明されていたとされている。柴崎幹男都議の収支報告書訂正をめぐる混乱もあって、「政党支部宛の寄附」で押し通すことはますます困難になっている。(【都議「裏金」収支報告書訂正は“所得税逃れの虚偽記入”、「都議会自民党」は一層窮地に!】)。
商品券問題は「政治活動」かどうかという単純な問題ではない
石破首相への追及は、商品券贈与が「政治活動」であれば、「政治資金規正法違反で一発アウト」という前提で行われているが、この問題は、そのような単純な問題ではない。