とにかく日本と韓国の女性研究者比率は、採用時に男女差別が存在していると考えなければあり得ないような低さに低迷しています。

そして理科系の研究者だけではなく、一般に女性が高い知的能力を要求される仕事につくことがむずかしいことも歴然としています。

右側のグラフでは、日本女性の中で配偶者より高いか配偶者と同等の所得を得ている人の比率はわずか5.6%となっていて、下から2番目のトルコの13.1%の半分にも達していないのです。

次にご紹介するのは、おそらく派遣会社がおこなった人材募集に応募したかつて研究者だった女性の履歴書です。

【履歴書】 2001年 A大学 理学部卒 2003年 A大学 大学院修士卒 2003年 B化学(株)非常勤研究職 2005年 妊娠で退職 2018年 C大学 研究室技術職パート 2021年 C大学 任期満了で退職

出所:hahaha|ブランクから子育てしながらのキャリア形成@YokoBlankCafe、2024年10月12日のX(旧Tweet)より引用

この履歴書を読んだ若い男性社員の反応は「この経歴で応募ポジションは営業所の事務パート。やっぱ女子に理系は無駄っすね」で、女性社員の反応は「背景を想像すると泣ける」でした。

特権に安住しながらその自覚さえない人間による無神経に他人の苦境をあざ笑うような発言に呆れるとともに、こんな優れた学歴を持った女性を営業所のパート職員の募集に応募せざるを得ない境遇に追いやることの人的資源浪費のすさまじさに怒りを覚えます。

男女就労条件差別は、いつ頃始まったのか?

ここで、いつ頃そしてなぜこれほどひどい男女の就労条件差別が生じてしまったのかをふり返って見ましょう。

終戦直後の日本政府や企業のスタンスには、混乱は見られますが悪質な男女差別の意図は感じられません。

ただ、敗色が濃厚になってからの神風特攻隊のような作戦によって、戦後の復興に大事な労働力となるはずの前途有為の若者たちを大勢戦死させたため、人口ピラミッドに若年男性層の極端な欠損ができたことに無自覚だったのは事実でしょう。