下段の共働き世帯数の推移がその傍証になります。たしかに「妻無業」世帯は1985年以降激減しているのですが、反対に激増しているのは「妻がパート」世帯だけで、「妻がフルタイム」世帯は長期にわたってほぼ横ばいです。
正規雇用でさえ男女間賃金格差が大きいさらに問題なのは、正規(フルタイム)就業者の中での男女間賃金格差も、日本はOECD諸国の中で、韓国、ラトビアに続いて3番目に大きいという事実です。
これほど賃金格差が大きいことも一因になのでしょうが、日本の25~54歳女性の正規(フルタイム)就業率は、先進国・新興国を含んだ28ヵ国の中で5番目の低水準です。
イタリアでは雇い主側はかなりの好条件で女性雇用を促進しようとしているようですが、なかなか「妻として、そして母として家庭を守ることに誇りを持っている」イタリア女性たちを正規雇用で職場に引き入れることができないようです。
スイスは正規雇用で金融業に勤める男性が多く、しかも給与水準が非常に高いので、夫ひとりの所得で余裕のある暮らしができるから女性のフルタイム就業が少ないのでしょう。
日本と韓国で働き盛り年齢の女性フルタイム就業率が低いのは、やはり正規雇用の中でも男女間の賃金格差が大きいからでしょう。
女性の正規雇用は処遇が男性と段違いもっと深刻な問題があります。それは日本の正規雇用というと男性の場合、ほぼ間違いなく定年まで所得を保障する仕組みになっていますが、女性ではまったくそうした長期的な保障がないという事実です。次の表をご覧下さい。
一目瞭然と言うべきでしょうが、男性の場合、いわゆる氷河期世代で就労環境が最悪だった時期に非正規で採用された人たちでも、その後同じ職場で正規採用に昇格したとか、正規採用の職場に転職できた例がかなりありそうです。
女性の場合は、そういうケースはあったとしても稀で、たいていの場合加齢につれて正規雇用から非正規雇用に移行し、就業を諦めて労働力人口から離脱する人も多くなっています。