もうひとつの疑問は、アメリカは生成AI関連特許の取得件数では明らかに中国に後れを取っているという事実です。生成AI関連では技術力がアメリカより高そうな中国のハイテク大手で、今年データセンター建設を大幅に伸ばすと明言している企業はありません。

しかも、両国に現存するデータセンター数と、そこからの売上総額を次の2枚組グラフで見比べると、明らかにアメリカのデータセンターは過剰気味で、中国のデータセンターのほうが需給は逼迫しているはずなのです。

ご覧のとおり、アメリカにはすでに5381ヵ所のデータセンターがあって、総売上は956億ドル、一ヵ所当たりで1777万ドルに過ぎません。1ヵ所で十数億ドルの建設費を要すると言われる事業としてはあまりにも低収入で、すでに供給過剰状態にあることは明白です。

一方、中国は449ヵ所に抑えたデータセンターで655億ドルの総売上を得ているので、1ヵ所当たり1億4588万ドルの売上があるので、もし供給不足があるとすれば中国のほうでしょう。にもかかわらず中国のハイテク大手は新規のデータセンター建設に消極的です。

データセンターという投資対象は、よほど慎重に供給量を絞りこまないとたちまち供給過剰で低採算、不採算に陥ってしまう厄介な物件なのではないでしょうか。

「実力」が人気に追いついたエヌヴィディア

現在までのところ、マグニフィセント7の中で、生成AIブームを実際の収益改善に結びつけることができているのは、エヌヴィディアだけです。ただ、そのエヌヴィディでさえあまりにも話がうますぎて眉にツバをつけて決算書類を読みたくなる企業なのです。

まず、過去10年間のエヌヴィディアの営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー、そして株価の推移を比較したグラフをご覧いただきましょう。

営業キャッシュフローとはほぼ営業利益と同じだとお考えください。そしてフリーキャッシュフローとは最終的に企業の手元に残る現預金・現金同等物が前の期に比べてどれくらい増えたか、減ったかを示しています。