餌代はひと月いくらになるでしょうか。

私たち、毎日ウニとかカニなんて食べられませんよね!そういうのはたまのご馳走です。

でもラッコはそれが日々の「ごはん」なんです。もう「餌」とかいえません……。

圧倒的にウニが多いのはジャイアントケルプの生えている海にいるせいか?
圧倒的にウニが多いのはジャイアントケルプの生えている海にいるせいか? / Credit: Wikimedia Commons

あ、でも鳥羽水族館で与えているのは、貝、イカ、カジキ、タラ、エビ、カニあたりだそうです。さすがにウニは無理か。

ラッコは繁殖の難しさに加えて、施設の維持管理、そして餌の確保とその値段という飼育にとてもコストのかかる動物だということがいえるのです。

そして、このタイミングでコツメカワウソが新たなアイドルとして登場しました。

コツメカワウソは日本でも繁殖に成功しているだけでなく、肩に乗せて写真を撮るようなふれあいもできるなど集客しやすい点が大きいだけでなく、餌はラッコのような高級食材を用意する必要がないため、コスト的にも大きなメリットがあります。

ちなみに江ノ島水族館で与えているのは、むきエビ、アジ、バナメイエビ、ニジマス、むきアサリだそうで、割と庶民的。日本人の普段のおかずに近いですね。

それでも体重の20%食べるのですが、コツメカワウソの体重は軽く、3kg前後~5kg前後。5kgだとしても餌は1日1kgで、ラッコよりずっと少ないです。幸いなことに繁殖例も出てきました。

ガラス越しに見ているだけでも癒されて、時間があっという間に溶けてしまうラッコですが、コツメカワウソだと肩に乗せて写真撮影したり、握手できたりする水族館もあります。

雲の上のスターと、握手会に参加できる身近なアイドルぐらいの開きがあります。

水族館でもアイドル像は変遷していくということでしょうか。

可愛いコツメカワウソと握手できるとしたら、ちびっ子たちは大喜びですね。もしかしたら大きなお友だちも大喜びかも。

仕草が愛らしいうえに飼育コストがラッコより低く集客もばっちりなコツメカワウソ
仕草が愛らしいうえに飼育コストがラッコより低く集客もばっちりなコツメカワウソ / Credit: Wikimedia Commons