しかも1羽の鳥を破棄するのではなく「街中や四つ角で焼いた」というのは見せしめ感満載です。鴆はそれほど危険視されていたということでしょう。
帝に献上するということは、かなり珍しく貴重な鳥だっただろうということが伺えるだけでなく、鴆は実在したと信じたくなるエピソード。
ちなみに、中国の古い文献から浮彫りになってくる鴆の特徴には「毒を作るために使われた」「棲息するのは中国南方で、ベトナムから広東、広西チワン族自治区あたり」「二音節に聞こえる特徴のある鳴き声」「皮膚や羽に毒がある」「肉は生臭くて美味しくない」「羽の毒は酒によく溶ける」「蛇は鴆を襲わない」
その鴆のような羽に毒を持つ鳥がニューギニアにいることがわかったのです。シカゴ大学でこれを見つけたのが中国人研究者だったら、すぐさま「これは鴆では」とピンと来たのかもしれません。

中国4000年の歴史もびっくりな大発見
1990年、羽に猛毒をもつとわかった鳥、ズグロモリモズ。
この鳥は羽にバトラコトキシンという猛毒を持っていることがわかりました。この毒は先住民が毒矢に使うモウドクヤドクガエルの毒と同じです。
中国4000年の歴史もびっくり!羽に毒のある鳥は実在したのです。

ズグロモリモズが棲息するのは南方のジャングル、二音節に聞こえる特徴のある鳴き声、皮膚や羽に毒がある、肉は美味しくないので先住民は食べない、羽の毒は酒によく溶ける、蛇や猛禽類はこの鳥を襲わない。
鴆とズグロモリモズの特徴は驚くほど一致します。
バトラコトキシンは1mgで人間20人、ゾウなら2頭、ハツカネズミなら1万匹を殺す神経毒で、羽を酒に浸せば暗殺用の毒酒が造れるような猛毒です。